イラストの製作工程・壁紙


〔1〕ラフ画
PCの壁紙をちょっと色っぽい感じでお願いします、と発注されて描いたイラストです。
じつは神村、基本的に色っぽい絵が得意ではありません。担当してきた作品が戦闘ものとドラえもん系しかなかったためかもしれません。

それはともかく、この大ラフでOKが出たので、ここから下描き。
壁紙なので、絵のまわりに額を描くことにする。
こんな絵をPCの壁紙に使う人がいるんだろうか?…とは思いましたが、人に見られても人格を疑われない程度に品のよい絵にしようとしています。
さらに女の子にも男の子にもどちらにでも見える、あいまいな体型と顔、髪型にしてあります。
〔2〕ペン入れ
透写台を使って、下書きを水彩画紙にトレスします。
ペン入れの終わった紙を木枠に水貼りする。手描きはこういう作業が楽しいです。

インクはカラーインクを使用。一部、HB鉛筆も使っています。
ペンは丸ペンとGペン。インクの色は4種類。
AAAA ブラック
グレー
セピア
薄いセピア
〔3〕色塗り開始
壁紙といえば色はやはり(?)落ちついたセピア系がよろしかろうということで、基本的にセピアでまとめようと思って塗り始めるが、いきなり鳥を青くしちゃったので当初の予定が早くもくずれる。
まあ、しかたありません。差し色は大切です。

肌の基調色をうすく塗ってみてから、肌色が浮き上がるように背景の色をやや暗めに塗っていきます。
絵の具はアクリルガッシュを使用しています。個人的に、アクリルガッシュはいちばん技術を要求されない絵の具ではないかと思っています。

グレーに見えている部分はマスキングインクを塗った部分です。この絵のように薄い色できっちり塗分けていくタイプのイラストには便利です。
〔4〕色塗り
背景はほぼこれで出来上がり。

使った絵の具【クジャク・タイル】
 セピア、バーントアンバー、バーントシェンナ
 イエローオーカー、ネイプルスイエロー、グレー
 コンポーズブルー、コンポーズグリーン、アイスグリーン他

 使った絵の具【布】
 セピア、バーントアンバー、バーントシェンナ
 イエローオーカー、ネイプルスイエロー、グレー
 ディープイエロー、アイスグリーン他
〔5〕色塗り
薄塗りしてあった肌に影をつけて仕上げる。今回は肌を白くしたいのでふだんより影を薄めにしておく。いらなくなったマスキングインクを取る。

使った絵の具【肌】
 ネイプルスイエロー(差し色に使うのが好き)
 フレッシュ、コーラルレッド(お気に入り)、セピア、ブリリアントピンク、
 アイスグリーン、コンポーズブルー他

「フレッシュ」というのは白人の肌の色、と言われている色で、かなり白っぽい肌色。なんで白人の肌色が「フレッシュ」でほかはフレッシュではないのかという批判があるため、この色名はもうなくなっているかもしれない。
日本の小学校で使う絵の具にも「肌色」はなくなりましたしね。


 髪と顔、小物、それにまわりの飾り枠を仕上げてできあがり\^_^/  
   





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